インスタントラーメン生みの親

安藤百福は、今や世界的に普及しているインスタントラーメンの発明者であり、日清食品の創業者として有名です。台湾で生まれその後、日本に来て「チキンラーメン」と「カップヌードル」という大ヒット商品を生み出すに至るわけですが、発明家としての才覚は青年期に既に現れていました。

安藤百福は台湾出身ですが、22才の時に父親の遺産を元手に繊維関連の会社を設立し、肌着や靴下などの商品を製造・販売し事業を成功させます。その後、大阪市に日東商会を設立して日本で仕入れた製品を台湾に輸出して儲けました。その後、昭和二十年代の貧しく食糧不足に陥っていた日本において、麺の普及を考え奮闘しましたが、当時は麺類の量産技術や流通ルートがありませんでした。しかし、情熱を持ってインスタントラーメンの研究を自宅の裏庭ではじめ、即席性と保存性を両立させるために日夜研究に没頭しますが、なかなか良いアイデアが浮かびませんでした。しかし、夫人が天ぷらを揚げているのをみて、麺を油で揚げるというアイデアを思いつき、技術を確立し、世界初の即席麺であるチキンラーメンの発売に至りました。

まさに、日本に麺文化を広げたいという安藤百福の純粋な思いと惜しみない努力の賜物としてインスタントラーメンが世に出たわけです。その後、カップラーメンの発明もするわけですが、そのアイデアは渡米中にアメリカ人がチキンラーメンを二つ折りにしたものを紙コップに入れて、それにお湯を入れてフォークで食べるという光景を見た時に得たといわれています。